音のない世界で、君に恋をする。
親のせいで喧嘩ばかりする燐に、言ったことがある。
“つらいなら、つらいって言え”
その言葉に燐は、“慣れてる”と、悲しそうに言った。
その燐の何もかもに絶望したような顔を思い出して、悔しさが募る。
そんなことに慣れても、良いことなんて無い。
慣れてると思ってても、心の中はボロボロに決まってる。
どうしてあの時、澪を助けようと思たのか自分でも分からない。
ナンパなんてしょっちゅう出くわすし、いつもならめんどくせぇことには顔を突っ込まない。
……でも、ただなんとなく、目が離せなかった。
今にも消えてしまいそうな澪を、ほっとくなんてできなかった。
次いつ会えるかも分からなかったから、連絡先を渡した。
……また会いたいと、思ってしまった。
このまま会えないでいると、本当に消えてしまいそうだったから……。