音のない世界で、君に恋をする。
……薄々、気づいてはいた。
初めて澪と会ったとき、初めて澪の目をみたときから。
今にも消えてしまいそうなこの子を、儚すぎるこの存在を、守りたいと……。
必死で弱い部分を見せないようにしていて、誰にも頼ろうとしない、誰にも縋ろうとしないこの子を。
このままだと、いつかこの子が壊れてしまうと思った。
だから、俺がこの子の頼れる存在になろうと。
今まで生きてきて、こんな気持ちになったことは無かった。
俺はうるさいものが嫌いだ。
学校の教室とか、繁華街の人混みとか、声を掛けてくる女とか。
女はいつだってキャーキャー騒ぐし、すぐ泣くからめんどくせぇ。
そんなもんだと思ってた。
だけど、澪はいつも静かだった。
何も言わない俺の隣に、静かに座っていた。
泣きそうなのを、必死に堪えていた。
———俺は、そんな澪のことが好きになっていた。