花束に囲まれた君が残したもの。

ー背徳の花火ー

流星群を見終わると、

「終わっちゃったね…」

ツユちゃんが一言呟いた。

そして立ち上がり背伸びをする。
それを見てた僕らも同じように各々立ち上がり、体を曲げたり手を伸ばしたりして、ストレッチをした。

「すごい綺麗だった」だとか「夢みたい」だとか
言葉が交わされる。

「さて…最後にみんなで手持ち花火するか!」

そう言って片手に花火の袋を掲げたのはクワだった。

「贅沢だなぁ。」
僕は呟く。

「忘れられない日になったね。」

ヒマが満足そうな笑みで僕に言うとクワの所へ走って駆け寄り、花火を取りに行く。
みんなに紛れて、僕も花火を取りに行った。

…ハギ?

僕が向かう方向に背を向けて空を見上げるハギが目に入った。

僕はクワに「2本ちょうだい」といい、近くで着火していたユリちゃんの花火から僕の花火に火を貰うと、ハギのところに向かった。

「ハギもやるだろ?僕の花火が消える前にほら。」

僕はハギに1本花火を渡す。
僕はハギの手に持たせた花火に、僕の花火に近づけ着火した。

「ハギ、どうしたん…」

少し挙動がおかしいと思って、ハギの肩に僕は手を置き、振り向かせるとぼくは言葉を止めてしまった。

そこには微かに光る涙を流すハギがいた。
ハギはハッとした表情をした後、慌てて涙をそでで拭う。

「…星が綺麗だったんだよ。」
  
花火がなければ気づかなかったであろう姿に、僕は戸惑ったままでいた。

なんだろう。なにか違う気がする。
そんな僕にハギは笑って

「星見て泣くなんて恥ずかしいから、内緒だよ。」
と言った。

僕はこれ以上なにか聞くのも良くないと思い、花火に目を移す。
その途端、僕の花火は終わってしまった。

< 20 / 63 >

この作品をシェア

pagetop