花束に囲まれた君が残したもの。
ー告白ー
3月28日土曜日
僕は夕方、病室へ向かった。
ゆっくり扉を開けると、窓の景色を見ているツユちゃんがいた。
木の葉の音がカサカサと響く。
髪の毛は抜けてしまいウィッグを被っている。
今はショート姿だ。
彼女がやってみたかった髪型なんだとか。
「今日はツッキーだ。」
ツユちゃんはこっちを見て嬉しそうに言った。
「今日はツッキーが一番乗り!」
知ってる…。
今日はリサーチ済みだ。
リサーチというより合わせてもらった人も何人かいるけど…。
特にヒラやクワは今日病院行くのはやめて欲しいとお願いしたらにんまりしていた。
…バレてる。
僕が背中に隠している手の中には花束を持っていた。
僕は自分の決意が揺らがないように、早速本題に入ることにした。
「あのさ、真剣な話、聞いて欲しいんだけど…」
僕は緊張しながら話を切り出す。
「いいよ?」
ツユちゃんはわかっていないようだった。
首をかしげて返事をした。
「僕はさ、今まで特になんにもしてこなかったんだ、人との関わりも何か1歩踏み出すこともしない。ただ淡々と日々がすぎていくだけなんだろうって。思ってたんだよ。」
僕は少し深呼吸をした。
ツユちゃんは「うんうん。」と頷きながら話を聞いてくれていた。
「でも、あの夏の1歩が僕の全てを変えて行ったんだ。僕が好きなことを見つけて、誰かの為になることをしたいと思えて。」
「僕でも知らなかった僕に出会うことができた…それは、ひとりじゃできなかったことで。みんながいたから変われたこと。」
僕はもう一度深呼吸をする。
「ただ、1番近くにいてくれて僕を変えてくれたのはツユちゃん、君なんだよ…」
僕はツユちゃんの目を見つめた。ツユちゃんも僕を優しく見てくれていた。
「僕は君が人生の道しるべになってくれた大切な友達であって…大切にしたいと心から思える人だ。」
僕は花束を手元に持つ。
"カランコエ"。
僕が花に詳しいヒマを連れて花屋で1時間悩んで選んだ赤と黄色の花。
「ツユちゃん、君が好きです。」
緊張しながら花束を渡す。
やっと言えた。
言っていいかわからなかった。
言う覚悟できてなかった。
言い訳ばかり並べて、言えなかった言葉をやっと言えた。
緊張と安心を交互に感じている。
鼓動が早い。
ただ、ツユちゃんは戸惑っているようだった。
申し訳ないことをしたかもしれない。
ヒラから色んな人の告白を断っていたと聞いた。
嫌だったかもしれない…。
僕が少し後悔し始めると、ツユちゃんがこっち来てとジェスチャーを僕に送る。
声が出しにくいのかな…?と思い顔を近づける。
するとツユちゃんは僕の頬を両手で勢いよく触れたと思ったら、同時に唇に暖かい感触がした。
ー初めてキスをしたー
「遅いよ。バカ。」
ツユちゃんは頬を赤らめながら上目遣いの大きな瞳には少し涙が滲んでいた。
僕は混乱していた。
何せ初めてのキスだったし、断られると思ったし、告白の後どう話そうか何パターン考えていたがどれにも当てはまらず、言葉も全て飛んだ。
「えっと…つまりえっと…」
僕がしどろもどろしているとツユちゃんがはぁと息を吐いて、僕の顔の肉をさらに真ん中に寄せた。
「ハにするフだよ…」
「あのね私も好きだよ。沢山支えてくれて、話を聞いてくれて、人を頼ってと叱ってくれて。嬉しかった。ツッキーの前では他の人に相談できないこともできたし素でいられた。真剣に向き合ってくれた。」
ツユちゃんはそっと僕の顔に当てている手を下ろす。とても暖かかった。
「だからね、ありがとう。」
ツユちゃんは笑って言った。
僕はその笑顔が嬉しかった。
嬉しくて正直泣きそうだった。
気づいたら今度は僕からゆっくりキスをしていた。
鼓動は高鳴り、体温が熱くなる。
揺れる木の葉の音は聞こえなくなっていた。
僕はゆっくり唇を離した。
「…僕の方こそありがとう。」
僕は言った。
笑顔で言ったつもりだが実際どんな顔で言ったかは分からない。
ツユちゃんは満足そうな顔をしていた。
少し経って、僕は病室を後にした。
足取りは軽く夢だったのではないかと何回か顔をつねったが普通に痛かった。
僕は夕方、病室へ向かった。
ゆっくり扉を開けると、窓の景色を見ているツユちゃんがいた。
木の葉の音がカサカサと響く。
髪の毛は抜けてしまいウィッグを被っている。
今はショート姿だ。
彼女がやってみたかった髪型なんだとか。
「今日はツッキーだ。」
ツユちゃんはこっちを見て嬉しそうに言った。
「今日はツッキーが一番乗り!」
知ってる…。
今日はリサーチ済みだ。
リサーチというより合わせてもらった人も何人かいるけど…。
特にヒラやクワは今日病院行くのはやめて欲しいとお願いしたらにんまりしていた。
…バレてる。
僕が背中に隠している手の中には花束を持っていた。
僕は自分の決意が揺らがないように、早速本題に入ることにした。
「あのさ、真剣な話、聞いて欲しいんだけど…」
僕は緊張しながら話を切り出す。
「いいよ?」
ツユちゃんはわかっていないようだった。
首をかしげて返事をした。
「僕はさ、今まで特になんにもしてこなかったんだ、人との関わりも何か1歩踏み出すこともしない。ただ淡々と日々がすぎていくだけなんだろうって。思ってたんだよ。」
僕は少し深呼吸をした。
ツユちゃんは「うんうん。」と頷きながら話を聞いてくれていた。
「でも、あの夏の1歩が僕の全てを変えて行ったんだ。僕が好きなことを見つけて、誰かの為になることをしたいと思えて。」
「僕でも知らなかった僕に出会うことができた…それは、ひとりじゃできなかったことで。みんながいたから変われたこと。」
僕はもう一度深呼吸をする。
「ただ、1番近くにいてくれて僕を変えてくれたのはツユちゃん、君なんだよ…」
僕はツユちゃんの目を見つめた。ツユちゃんも僕を優しく見てくれていた。
「僕は君が人生の道しるべになってくれた大切な友達であって…大切にしたいと心から思える人だ。」
僕は花束を手元に持つ。
"カランコエ"。
僕が花に詳しいヒマを連れて花屋で1時間悩んで選んだ赤と黄色の花。
「ツユちゃん、君が好きです。」
緊張しながら花束を渡す。
やっと言えた。
言っていいかわからなかった。
言う覚悟できてなかった。
言い訳ばかり並べて、言えなかった言葉をやっと言えた。
緊張と安心を交互に感じている。
鼓動が早い。
ただ、ツユちゃんは戸惑っているようだった。
申し訳ないことをしたかもしれない。
ヒラから色んな人の告白を断っていたと聞いた。
嫌だったかもしれない…。
僕が少し後悔し始めると、ツユちゃんがこっち来てとジェスチャーを僕に送る。
声が出しにくいのかな…?と思い顔を近づける。
するとツユちゃんは僕の頬を両手で勢いよく触れたと思ったら、同時に唇に暖かい感触がした。
ー初めてキスをしたー
「遅いよ。バカ。」
ツユちゃんは頬を赤らめながら上目遣いの大きな瞳には少し涙が滲んでいた。
僕は混乱していた。
何せ初めてのキスだったし、断られると思ったし、告白の後どう話そうか何パターン考えていたがどれにも当てはまらず、言葉も全て飛んだ。
「えっと…つまりえっと…」
僕がしどろもどろしているとツユちゃんがはぁと息を吐いて、僕の顔の肉をさらに真ん中に寄せた。
「ハにするフだよ…」
「あのね私も好きだよ。沢山支えてくれて、話を聞いてくれて、人を頼ってと叱ってくれて。嬉しかった。ツッキーの前では他の人に相談できないこともできたし素でいられた。真剣に向き合ってくれた。」
ツユちゃんはそっと僕の顔に当てている手を下ろす。とても暖かかった。
「だからね、ありがとう。」
ツユちゃんは笑って言った。
僕はその笑顔が嬉しかった。
嬉しくて正直泣きそうだった。
気づいたら今度は僕からゆっくりキスをしていた。
鼓動は高鳴り、体温が熱くなる。
揺れる木の葉の音は聞こえなくなっていた。
僕はゆっくり唇を離した。
「…僕の方こそありがとう。」
僕は言った。
笑顔で言ったつもりだが実際どんな顔で言ったかは分からない。
ツユちゃんは満足そうな顔をしていた。
少し経って、僕は病室を後にした。
足取りは軽く夢だったのではないかと何回か顔をつねったが普通に痛かった。