振り向いて青春
 この時、吉田正雄というブロック長がぼくに同行してくれていた。 ところが入場券は1枚しか無い。
何とか中へ入れるように生理役員と交渉していた吉田だったが中へ入ることは許されなかった。 当然の処置かもしれない。
入場券を持たずにはいることを許可してしまうとどれだけの人が押し寄せてくるか分からない。 吉田はホールの外で終わるのを待たなければならなかった。
悔しかっただろうなあ。 期待して来たのに入れなかったんだから。
その後、彼がどうしているのかは誰も知らない。

 入信から三日ほど経った水曜日、ぼくはいきなり思い立って勤行を始めた。 とはいっても経本をまともに見たことが無いんだ。
点字を一文字ずつ追い掛けながらそろそろと勤行をする。 終わりが見えない挑戦だった。
 あの当時はまだまだ5座3座の時代である。 経本を追い掛けるだけで相当に疲れてしまった。
何しろ5時に飛び起きて7時にやっと勤行が終わるのだ。 立山君はそんなぼくを見て驚きっぱなしだった。

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