意地悪な副社長に狂うほど愛される
私は横で歩いている副社長をちらっと見た。
副社長は私にすぐに気づいてにっこり笑う。
先程から私の手を離さない彼は本当に私の家に来るようだ。
「同期にそんなにバラされたくない?」
「はい。同期に限らず他の人にも」
「確かにキミが自分の会社の副社長のAIを作ってるって知ったら、みんな」
「わー! やめてください! 言葉にしないでください!」
改めて本人に言われたら自分の変態さに卒倒しそうになった。
アパートに入る前、副社長は物珍しそうに建物を見上げた。
入り口で女子大生の3人組とすれ違う。
副社長を見てキャッキャッと騒いでいた。
『御堂副社長は女を笑顔1つで腰砕けにする力がある』
先輩たちとランチをしていた時にそう言っていたのを思い出した。
ちらっと副社長を見た。
今まで自分もこの顔を遠くから見ただけでうっとりしていたのに。
部屋の前につき、私は鍵を開ける手が震えた。
副社長の視線が刺さるのがわかる。
なんとか開けて「どうぞ」と私は副社長を中に招き入れた。
中に入るとすぐに副社長は振り返り私を見る。
「こんな、すんなり家に俺を招き入れたってことは」
副社長が私を見下ろしながら近づいて来た。
「キミも期待してるってことじゃない?」
「そんなわけない!」
「ほんと?」
「同期にバラされたくないだけです」
副社長の顔から笑みが消えた。
背筋が冷える。
「笑えよ」
「え?」
「笑え」
「そんなこといきなり言われても」
うまく笑うことなんて出来ないし、笑えるような状況ではなかった。
「山本啓太の前では笑ってたじゃないか」
「……」
私は驚き副社長を見た。
すると副社長は私から少し離れて部屋の中を動き回った。
啓太のこと調べた?
それとも知り合いなだけ?
私はパニックになった。
「シャワー浴びますか!?」
口走った言葉に後悔した。
振り返った副社長は笑みを浮かべていた。
「積極的だね」
「そういう意味じゃ。私は帰ったらまずシャワーを浴びるので、それで」
言い訳がましく早口になっていく。
「じゃあキミが先にそうしたらいい」
私は副社長がいったい何をしたいのか、わからなかった。
居酒屋の匂いもするし、汗をかいていたのですぐにでもシャワーを浴びたかった。
しかし副社長をここに残すことがいいことなのか、判断がつかない。
「どうした?」
「副社長は何をしにここに来たんですか?」
「何って……」
あの夜と同じ意地悪な笑みを浮かべた。
「揶揄わないでください!」
「男を部屋に入れた時点で、キミだって期待してるだろ」
「期待なんかしてません!」
嘘だった。
「では私はシャワーを浴びてきます!」
「いってらっしゃい」
そう言うと副社長は私のベッドに腰を下ろした。
その状況に顔が一気に熱くなり下唇を噛んだ。
お酒を飲んである程度、顔は赤くなっていたはずなのでバレていないことを祈るばかりだった。
洗面所に駆け込み、ようやく息が吸えた。
これからどうすればいいか、1人で考えたかった。
どうしよう、どうしよう、どうしよう
逃げ込む為にシャワーなんて言ったがこの後は、どうすればいいのか。
私は途方に暮れた。
そして少しでも時間を稼ぐ為にシャワーを浴びた。
副社長は私にすぐに気づいてにっこり笑う。
先程から私の手を離さない彼は本当に私の家に来るようだ。
「同期にそんなにバラされたくない?」
「はい。同期に限らず他の人にも」
「確かにキミが自分の会社の副社長のAIを作ってるって知ったら、みんな」
「わー! やめてください! 言葉にしないでください!」
改めて本人に言われたら自分の変態さに卒倒しそうになった。
アパートに入る前、副社長は物珍しそうに建物を見上げた。
入り口で女子大生の3人組とすれ違う。
副社長を見てキャッキャッと騒いでいた。
『御堂副社長は女を笑顔1つで腰砕けにする力がある』
先輩たちとランチをしていた時にそう言っていたのを思い出した。
ちらっと副社長を見た。
今まで自分もこの顔を遠くから見ただけでうっとりしていたのに。
部屋の前につき、私は鍵を開ける手が震えた。
副社長の視線が刺さるのがわかる。
なんとか開けて「どうぞ」と私は副社長を中に招き入れた。
中に入るとすぐに副社長は振り返り私を見る。
「こんな、すんなり家に俺を招き入れたってことは」
副社長が私を見下ろしながら近づいて来た。
「キミも期待してるってことじゃない?」
「そんなわけない!」
「ほんと?」
「同期にバラされたくないだけです」
副社長の顔から笑みが消えた。
背筋が冷える。
「笑えよ」
「え?」
「笑え」
「そんなこといきなり言われても」
うまく笑うことなんて出来ないし、笑えるような状況ではなかった。
「山本啓太の前では笑ってたじゃないか」
「……」
私は驚き副社長を見た。
すると副社長は私から少し離れて部屋の中を動き回った。
啓太のこと調べた?
それとも知り合いなだけ?
私はパニックになった。
「シャワー浴びますか!?」
口走った言葉に後悔した。
振り返った副社長は笑みを浮かべていた。
「積極的だね」
「そういう意味じゃ。私は帰ったらまずシャワーを浴びるので、それで」
言い訳がましく早口になっていく。
「じゃあキミが先にそうしたらいい」
私は副社長がいったい何をしたいのか、わからなかった。
居酒屋の匂いもするし、汗をかいていたのですぐにでもシャワーを浴びたかった。
しかし副社長をここに残すことがいいことなのか、判断がつかない。
「どうした?」
「副社長は何をしにここに来たんですか?」
「何って……」
あの夜と同じ意地悪な笑みを浮かべた。
「揶揄わないでください!」
「男を部屋に入れた時点で、キミだって期待してるだろ」
「期待なんかしてません!」
嘘だった。
「では私はシャワーを浴びてきます!」
「いってらっしゃい」
そう言うと副社長は私のベッドに腰を下ろした。
その状況に顔が一気に熱くなり下唇を噛んだ。
お酒を飲んである程度、顔は赤くなっていたはずなのでバレていないことを祈るばかりだった。
洗面所に駆け込み、ようやく息が吸えた。
これからどうすればいいか、1人で考えたかった。
どうしよう、どうしよう、どうしよう
逃げ込む為にシャワーなんて言ったがこの後は、どうすればいいのか。
私は途方に暮れた。
そして少しでも時間を稼ぐ為にシャワーを浴びた。