意地悪な副社長に狂うほど愛される
「じゃあ、行ってらっしゃい」
こうやって玄関まで副社長を見送るのも3回目だ。
「なんだか、こういうのいいね」
そう言うと副社長は軽く触れるキスをしてきた。
かあっと顔が熱くなる。
「遅れますよ」
「そうだね、じゃあ」
閉まる扉を見つめ、顔を手の甲で冷ました。
まったく私は本当にどうしてしまったのかーー
片想いしていた相手と両思いになり喜ぶべきなのに、ここ数日、勇気がでなかった。
私も好きだと伝えるだけなのにーー
それがうまく言えない。
「好きです」
もう言ってしまおうかーー
答えは出ないまま、じっとしていてもしんどいだけ。
私はスーパーで買い物をすることで気を紛らわせることにした。
今日は何を作ろうかなーー
副社長の好物を聞いておけばよかった。
「宮木あゆ美さん」
ハッとして顔をあげる。
その美しい顔を見て、冷たいものが背筋を駆け下りた。
「覚えているかしら? 佐伯凜華です。あなたのこと、探しましたわ」
彼女の後ろには初めて見る顔を男性がついていた。
「ちょっとお話できるかしら」
「・・・・・・はい」
私は凜華さんの指定したカフェに入った。
「駿さんと同棲しているの?」
「それは、私の腕が治るまでで」
凜華さんは私の腕を一瞥した。
「私と駿さんが婚約しているって知ってるわよね?」
「はい・・・・・・」
「まさか、あなたが浮気相手だったとは」
「私と副社長はそういう関係ではありません!」
自分で言って私は、ハッとした。
私と副社長の関係っていったいなんなんだろうか。
手を伸ばせばすぐ傍にいるのに、いないような。
「一緒に住んでいて、恋人同士じゃないのなら何ですの?」
凜華さんは鼻で笑った。
「まあ、良いわ。私は浮気相手がいようがいまいが、どうでもいいの」
「お嬢様!」
後ろに控えていた男性が声をあげて驚いた。
「失礼しました」
「とにかく私としては駿さんと結婚できれば、それでいい。それには、あなたが邪魔なのよ」
「はっきり言いますね」
「あなたはハッキリ言わないと、わからないと思って」
私はギブスで囲われた腕をぎゅっと掴んだ。
「あなたにもハッキリと言わないと、わからないようなのでお伝えします」
「は?」
凜華さんの眉間に皺が寄った。
「私は副社長が好きです。だから彼を離したくありません」
凜華さんは驚いた顔を向けた。
「私はまだ告白をしていませんが、今日、帰ったらしようと思っています」
「あなた! 勘違いしているようだけど、駿さんは私と結婚しないと御堂家を出されるのよ!?」
「え?」
それは初耳だ。
もちろん、これから大変なことになる覚悟はある。
父親やお兄さんとの確執もある。
それでも、私が家族を壊すのは違う。
家族がいるのに、いない悲しみはーー
私の表情を見て凜華さんが不適に笑った気がした。
その笑みは副社長にも似ていた。
私が関わってはいけない相手だったのだと思い知らされた気がした。
こうやって玄関まで副社長を見送るのも3回目だ。
「なんだか、こういうのいいね」
そう言うと副社長は軽く触れるキスをしてきた。
かあっと顔が熱くなる。
「遅れますよ」
「そうだね、じゃあ」
閉まる扉を見つめ、顔を手の甲で冷ました。
まったく私は本当にどうしてしまったのかーー
片想いしていた相手と両思いになり喜ぶべきなのに、ここ数日、勇気がでなかった。
私も好きだと伝えるだけなのにーー
それがうまく言えない。
「好きです」
もう言ってしまおうかーー
答えは出ないまま、じっとしていてもしんどいだけ。
私はスーパーで買い物をすることで気を紛らわせることにした。
今日は何を作ろうかなーー
副社長の好物を聞いておけばよかった。
「宮木あゆ美さん」
ハッとして顔をあげる。
その美しい顔を見て、冷たいものが背筋を駆け下りた。
「覚えているかしら? 佐伯凜華です。あなたのこと、探しましたわ」
彼女の後ろには初めて見る顔を男性がついていた。
「ちょっとお話できるかしら」
「・・・・・・はい」
私は凜華さんの指定したカフェに入った。
「駿さんと同棲しているの?」
「それは、私の腕が治るまでで」
凜華さんは私の腕を一瞥した。
「私と駿さんが婚約しているって知ってるわよね?」
「はい・・・・・・」
「まさか、あなたが浮気相手だったとは」
「私と副社長はそういう関係ではありません!」
自分で言って私は、ハッとした。
私と副社長の関係っていったいなんなんだろうか。
手を伸ばせばすぐ傍にいるのに、いないような。
「一緒に住んでいて、恋人同士じゃないのなら何ですの?」
凜華さんは鼻で笑った。
「まあ、良いわ。私は浮気相手がいようがいまいが、どうでもいいの」
「お嬢様!」
後ろに控えていた男性が声をあげて驚いた。
「失礼しました」
「とにかく私としては駿さんと結婚できれば、それでいい。それには、あなたが邪魔なのよ」
「はっきり言いますね」
「あなたはハッキリ言わないと、わからないと思って」
私はギブスで囲われた腕をぎゅっと掴んだ。
「あなたにもハッキリと言わないと、わからないようなのでお伝えします」
「は?」
凜華さんの眉間に皺が寄った。
「私は副社長が好きです。だから彼を離したくありません」
凜華さんは驚いた顔を向けた。
「私はまだ告白をしていませんが、今日、帰ったらしようと思っています」
「あなた! 勘違いしているようだけど、駿さんは私と結婚しないと御堂家を出されるのよ!?」
「え?」
それは初耳だ。
もちろん、これから大変なことになる覚悟はある。
父親やお兄さんとの確執もある。
それでも、私が家族を壊すのは違う。
家族がいるのに、いない悲しみはーー
私の表情を見て凜華さんが不適に笑った気がした。
その笑みは副社長にも似ていた。
私が関わってはいけない相手だったのだと思い知らされた気がした。