意地悪な副社長に狂うほど愛される
ぐぅぅぅぅきゅるるるる

「あ」
「え?」

こんな時に私のお腹が盛大になるなんて。

穴があったら入りたいーー

「ぷっ」

駿さんが笑う。

「何か食べるか?」

そういえば今日は1日、何も食べていない。

「はい……」

駿さんはすぐにマンションのコンシェルジュに軽食を頼んだ。

「届くまで時間がかかる。風呂にでも入ってこい」
「それなら副、あ、いや駿さんが先に」
「じゃあ一緒に入るか?」

また意地悪な笑みだ。

「入りません!」
「それは残念。さあ、さっさと入ってこい」

駿さんは私にクローゼットから取り出したバスタオルを投げた。
湯船に浸かりながら私は先程のことを思いだし、唇に触れる。
なんだか腫れているような気もするが気のせいだろう。
でも、それほどしっかりと駿さんを感じだキスだった。

あのまま、お腹が鳴らなかったら私たちーー

考えてのぼせそうだったので、私はお風呂を出ることにした。
髪を乾かしてダイニングに向かうとテーブルの上にサンドイッチやサラダなどの軽食が用意されていた。

「なんだか朝食みたいですまない」
「いいえ、サンドイッチ大好きなんで」

私と駿さんは向かい合って食事をして、その後、駿さんはお風呂に、私はゲストルームで荷ほどきをした。
片付けが終わったのと同時にノックの音がして心臓が跳ねた。

「は、はい!」

ドアが開くと駿さんが顔を覗かせた。

「今日は疲れただろう。お休み」
「お、お休みなさい!」

クスッと笑うと駿さんはドアを閉めた。

なんだーー

ガッカリしている自分がいてハッとした。
私は電気を消して寝る準備をした。
身体は疲れているはずなのに、なかなか寝付けなかった。

その時、スマホが鳴った。
表示を見ると駿さんだった。
私はすぐに電話に出る。

「起きてた?」
「はい」
「こっち来ない?」

その一言にやっと静まったはずの心臓が再びうるさくなる。

「5分だけ待つ。一緒に寝たいと思ったら俺の部屋に来て」

そう言って電話が切れた。

本当にずるい人ーー
いつも私に選択させるーー

そして私は駿さんの部屋のドアの前に立っていた。
私は本当に彼に狂わされている。
ドアのノックすると、すぐにドアが開き、驚いた。

「やあ、来たね」
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