第5部 夜明けが世界を染めるころ、悪意の見える伯爵令嬢は王子の執着から逃れられない

レオ side

庭師レオ、参上!

それにしても――
アレキサンドライト王国の城、広すぎ!

庭もまた、とんでもない広さだ。

王国創立記念式典を控えているせいで、
庭師たちは総出で大忙し。

花を植えて、
枝を払って、
木の形を整えて――

(これ、何日かかるんだろ……)

でも、そのおかげで。

「……意外と、紛れ込めるもんだなぁ」

作業着に帽子、道具を持っていれば、誰も気にしない。
まあ、その辺は殿下がうまく手を回してくれてるんだろうけど。

(ありがたい話だ)

とはいえ。

「外から見て、何か分かるもんかな……」

首を傾げつつ、手を日よけみたいにして城を眺める。

……ん?

「……あれ?」

裏手のほう。

王国騎士団が、誰かを連れて裏口から入っていくのが見えた。

護送ってほど物々しくはないけど、
雰囲気が、ちょっと違う。

「……気になるなぁ」

俺は何食わぬ顔で剪定ばさみを動かしながら、
しれっと、その後を追った。
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