【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?
「俺には番がいる。いたんだ、確かに。でも....」
ーー俺の隣には君が居てほしい。そう思う。
「.....っ、理解できません」
「ああ、わかっている。
番以外愛せないはずなのに、いつの間にか君を愛していることに気づいて、俺自身戸惑った。
君の不安も、迷いも、自然なことだろう」
「..........」
「だが、夜の丘で景色を眺める君を見て、なぜか思ったんだ。
番がいるのにとか、妻だからとか。そこに囚われているべきではないと。俺は.....」
ーー君を逃しちゃいけない。君だけは絶対、離したらだめなんだ。
「君が番の存在を忘れるほど、納得できる理由を言えなくても、
君に惹かれる理由なら、いくらでも言える。
屋敷の者や俺を気遣う優しさ。
そばに居るだけでほっとする温かな人柄。
自分より先に他者を思い遣り行動にうつす強さ。
君がもういいって音をあげるくらい毎日毎日、伝えよう。
君が不安になる度に、何度でもその心に届けるから。
だから、俺を信じてくれないか.....?
愛している、ジャスミン。
俺の幸せは.....君とずっと一緒に居ることだ」
「フェンリル、様....」
彼の顔に迷いはなかった。
美しい銀の瞳は揺れ動くことなく、じっと私を見据えている。
私は葛藤の渦に呑まれていったーー。