【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?

「いいえ。私の方こそ、その節は大変申し訳ありませんでした。でも、とてもお元気そうで安心しました」

「ええ。留学は終えました。今は次期国王として、学びを更に深めております。将来、国を背負う者として、頑張って参りますわ」

「シルヴァ王女でしたら、きっと、立派に国を治めていかれるのでしょうね。私も微力ながら、お支え致しますわ」

「ありがとうございます」

 シルヴァ王女とジャスミンは、笑顔で手を取り合った。

「フェンリル叔父上!ジャスミン夫人!

ご結婚、おめでとうございます!

とーっても綺麗!

へへ!みんな笑顔だし、叔父上達はとっても仲良しで嬉しいし。食べ物もジュースもぜーんぶ美味しいし。

僕、幸せだよ。

ね、ジャスミン夫人」

 満面の笑みでお祝いを述べてから、ちょいちょいと耳を寄せるよう手招きするマーナガルム様。

「ん?」

 そっと半歩近づくと、潜めた声で耳打ちしてくる。

「今度こそ、いちごタルト、一緒に食べようね?」

「まぁ。ふふ、ええ。ぜひ、ご一緒させてくださいね、マーナガルム様」

「やったぁ!絶対ね」

「はい!」

「....近すぎだ」

「うわぁっ」

 嬉しい返事に、近い将来の約束を交わした所で、フェンリルがメラメラと嫉妬の炎を燃やして、甥っ子をジャスミンから引き剥がした。

 突然、首根っこを掴まれたマーナガルム様は声を上げる。

「.....まぁ」

 こんなに小さな子にまで、ヤキモチを妬くフェンリルに、ジャスミンは驚き.....

 そして、愛情溢れる笑顔を向けた。

「もう、フェンリル様ったら」

「...........っ」

 罰の悪い顔をする愛おしい夫へ、背伸びしてーー

 ふわりと。

 心を伝えるキスを贈る。

「フェンリル様....」

 ーーこの世の誰よりもあなたを、愛しています。

「ジャ、ジャスミンっ!」

 その直後。

「「ストーップ!」」

 初めて妻から贈られた口付けに感極まったフェンリルを、テリウェル陛下とヴォルフ陛下が揃ってチョップしたのは《ご愛嬌》ということでーー。



 麗らかな春の風が、楽しい笑い声を運んでいく。

 婚約破棄された令嬢は、隣国で愛する人と出会い、幸せを掴んだ。

 二人の物語はこの先もずっと、ずっと....
 続いていくーー。


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