【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?
「いえ!この後は宿にチェックインの予定だったんです」

「宿.....?」

 唇は弧を描いたままピリリとした空気が渦巻いた。.....怒ってる?

「宿とはきちんとした所なのか。セキュリティは?施錠はしっかりできるのか?男性客はいないかとか治安の悪い場所に建っていないかとか。ちゃんと確認したのか?」

「えぇ.......?」

 矢継ぎ早に質問されてどれから答えればいいのかわからない。ぐるぐる目が回りそうだ。

 でもセキュリティや治安は大丈夫だろう。『王都観光案内所』の方の話とパンフレットの内容から富裕層向けの宿だとわかっている。

 ......それにしても。男性が泊まっていない宿とは女性専用ということだろうか。


「た、たぶ.....」

「送ろう」

「え?」

「宿まで送るよ。途中の道で何かあっても危ないし、宿のセキュリティも確認できる。君の言う通り今日はもういい時間だ。観光は明日からにしよう」

「.............」

「さ、そうと決まれば行こう」

 答えようとした先から話が決まっていき、ポカンとする。

 マーナガルム様はまだ「僕も送ってく!」と抵抗していたが、男性はタイミングよくやってきた護衛に彼を預けて何やら指示を出した。

 最後まで「つぎはケーキいっしょにたべようねー!」と叫ぶマーナガルム様の声が聞こえなくなると、男性は私の前に腕を差し出す。
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