【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?
「どこ行くの」
「え?」
痛くはない強さだがビクともしない。
「どこ、行くの?」
「そうだよー!僕とケーキ食べるんだから」
まだ肩に米俵のごとく担ぎ上げられたままのマーナガルム様も参戦した。
「え.....えっと」
「君、王都には旅行か何かで?」
男性はチラリとキャリーケースに目を向ける。
「......はい」
旅行といえば旅行になるのだろうか.....
長く家を空けるつもりはないし、今回の旅での目的も決めてある。私の身分と両親に無許可で家を出てきていることをのぞけば、旅行といえなくもない。
「じゃあ、俺が街を案内するよ。いや、案内させて欲しい」
「.......っ、だ、大丈夫ですわ!お忙しいでしょうし!私はただ、迷子のマーナガルム様を送りに来ただけで」
突拍子もない提案に目を剥いた。
初対面の相手に何故そんな提案が飛び出すのだろう。それに、この旅は一人で回りたい。私の目的のためにはそれが一番いい。......また変わり者だと言われるだけだもの。
でも有無を言わせない凄みを纏って男性は顔をズイッと近づけてきた。
「忙しくない。君の案内以上に大事なことなんてない。さぁ、行こう。今すぐにでも」
「僕も行くーー!」
圧を感じる笑みで言われて後ずさったら、マーナガルム様がまた駄々をこねる。