【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?

「馬鹿ね、私....」


 ......でも。それでも。

 あなたが私にくれた言葉も行動も......
 私は忘れない。


 だって、嬉しかったから。
 嘲笑や蔑みなんて一切ない。
 色眼鏡でみない、あなたの純粋な視点が。
 気遣ってくれる行動が。

 私自身を見てくれるあなたの、綺麗な瞳が。

 頬を涙が伝った。


「好き.....《《でした》》、なんて.....きっと一生言えないわ....」


 瞬間ーー。
 全身をポゥと淡い光が包んだ。

「え....いま、なの?」

 愕然とした。同時に悟った。
 
 もう会わない。もう会えない。
 私は今日、国へ帰るから。

 おばあさんから購入した魔法薬の効果は7日間しか持たなかった。魔法薬を口にする時、少しだけ中身を溢した。その分、効果が短くなったのかもしれない。

 私の身体はたった今、元の姿へと変わった。
 他者から見た姿は、そのままの人間の姿に戻った。

 私はすぐに支度を整えて宿を出た。
 まだ陽も登らないうちの、薄暗い闇の中の出立だった。
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