【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?
そこからの記憶は曖昧だった。
残っているのは、全身を撫でていく火傷しそうなほどの熱と視線。
それから耳から直接吹き込まれる、溶けそうなほどの熱い想い。
「ミーナ。.....好きだよ。愛している」
「君は可愛いな。それにとても甘い。まるで砂糖菓子のようだ」
「ああ、ミーナ。とても幸せだ。幸せすぎて怖いくらい」
「ずっと一緒だ、ミーナ。離れないで....」
◇
どうしてあんなに惹かれ合ったのか。
磁石みたいに引き寄せられて離れられなくなった。
夢の続きを見ている心地で
二人分の息遣いを感じた夜はーー
目を覚ました瞬間、綺麗さっぱり
すべてが現実へと引き戻されていた。
隣にあったあたたかな体温は消えて、布団に残るぬくもりは微かにも感じられないほど冷え切っていた。
残されていたのは机に置かれた一枚の紙。
『すまない』
書き殴ったように荒い筆跡。
まるで昨夜の夢が現実ではなかった証明のように書かれた、簡潔な言葉。
「ふ、ふふっ....。そっ、か」
すべて偽りだった。
ただ《《女性》》を求める男性の本能。
それだけだった。