【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?


 そこからの記憶は曖昧だった。

 残っているのは、全身を撫でていく火傷しそうなほどの熱と視線。

 それから耳から直接吹き込まれる、溶けそうなほどの熱い想い。

「ミーナ。.....好きだよ。愛している」

「君は可愛いな。それにとても甘い。まるで砂糖菓子のようだ」

「ああ、ミーナ。とても幸せだ。幸せすぎて怖いくらい」

「ずっと一緒だ、ミーナ。離れないで....」





 どうしてあんなに惹かれ合ったのか。
 磁石みたいに引き寄せられて離れられなくなった。

 夢の続きを見ている心地で
 二人分の息遣いを感じた夜はーー





 目を覚ました瞬間、綺麗さっぱり
 すべてが現実へと引き戻されていた。

 隣にあったあたたかな体温は消えて、布団に残るぬくもりは微かにも感じられないほど冷え切っていた。

 残されていたのは机に置かれた一枚の紙。

『すまない』

 書き殴ったように荒い筆跡。
 まるで昨夜の夢が現実ではなかった証明のように書かれた、簡潔な言葉。

「ふ、ふふっ....。そっ、か」

 すべて偽りだった。

 ただ《《女性》》を求める男性の本能(狩り)
 それだけだった。

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