【完結】隣国のモフモフ騎士団長様、番ではない私でよろしいのですか?
「お嬢様、本当に宜しいのですか?」
船が港を出発し客室に入って一息つくと、リリアが言った。
「リリアまで。......いいのよ。でも、心配かけてごめんなさいね」
「お嬢様が謝ることではございません。.....ですが、旦那様となられるお相手は、『番をなくした』と噂の王弟殿下です。.....今回の件で、シルヴァ王女が他国との戦の要因をつくったと波紋が広がり、国の平和を揺るがす王女は廃嫡すべきとユービィスト王国の一部貴族から声が上がったそうです」
「ええ。わかっているわ。.....シルヴァ王女を、次期国王にするためには、王弟殿下の婚姻を急いで臣下にくだる必要があるのよね。貴国では未婚の王族の臣籍降下は認められていないから」
「はい....」
リリアが辛そうに頷く。
私は《《彼》》のことを思い浮かべる。口からぽそりと言葉が漏れた。
「.....番がいらっしゃったのね」
「え?」
「あ、いいえ。なんでもないの」
「............?」
半年前 旅で私が出会った男性は、なんとユービィスト王国の王弟殿下だった。
それだけではない。彼には番がいたのだ。
私と出会った頃にはもう居たのだろうか。
それともこの半年間で出会ったのだろうか。
.....きっとこの半年の間よね。
世の中には複数の女性と恋愛を楽しむ方もいるみたいだけれど。
彼は番が居たならその方を目一杯大切にする気がした。