魔族@純愛#格差&恋愛物語
「遠いところ、わざわざ、ありがとうございます。それでは・・失礼します」

シオンは淡々としてかごを受け取り、神殿の玄関を開けて、入ろうとした時

「待てよっ!!!」

イリスが叫んで、ガバッとシオンの腕をつかんでカベドン状態で迫った。

シオンは金の瞳を見開いて、壁に背中をぴったりとはりつけている。

「こっちの話を聞けよ!悩んでいる奴の話を聞くのも、アンタの仕事なんだろうが!!」

「アタシが出禁っていうのは、でも・・・」

イリスの目から、つつっと涙がこぼれ落ちた。

「なんでかわからないけど、アンタの事、考えると苦しくて、こんなぐちゃぐちゃな気持ちになっちゃって。
自分でもどうしたらいいか、わかんないだよぉ」

両腕を垂れて立ち尽くしているシオンに、イリスは抱きついた。

「絹なんてどうでもいい!!でも、アタシの事を嫌いにならないで!!」

シオンは大樹のように動かず、その瞳は困ったようにイリスを見つめている。

「くそっ、なんか言えよっ!!」

イリスは思いっきり、シオンの足を払ったので、その体が崩れて、ずりずりと神殿の壁にそって座り込んだ。

シスルの体にまたがり、胸ぐらをつかんで叫んだ。

「最後に、チューぐらいさせろってば!!アタシがフラれたなんて、出禁なんて!
アタシにも、サキュバスのプライドってもんがあるんだからっ!!!」

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