私のために泣いてくれた若年性がんサバイバーに救われた話
<1週間後>
イエリ
『やっと涼しくなりましたね、風が気持ちいいです。』
16時を過ぎ、夏の暑さが少しやわらいできた。
イエリは川辺のコンクリートブロックの上を歩きながら、無邪気に笑った。
ボーカリストを目指していたあの頃と同じ笑顔だった。
私たちはコンクリートのへりに腰掛け、水面を眺めた。
イエリ
『お仕事終わりで疲れてるところ、ありがとうございます。』
ユノ
「こちらこそ、忙しいところ時間を作ってくれてありがと。」
私はここでも平静を装ったが、本当は「仕事帰り」も「大丈夫」もウソだった。
この時の私は、仕事も健康も夫も失い「就労移行支援」に通所していたから。
◇◇
私は両親と不仲で、実家を飛び出した末にうつ病になった。
1人で生き延びていた折に夫に出逢い、考える余裕もないまま結婚した。
が、夫はメンタルに問題があり、折り合えないまま私のうつ病が再発。
私が前職をドクターストップで辞めると、夫は「離婚しよう」と言ってきた。
次の日、夫の両親が家に来て離婚届けを出し、夫の荷物を持って立ち去った。
私は数ヶ月の闘病の末、ようやく起き上がった。
が、頼れる家族もなく、生活保護が視野に入りかけていた。
そんな状態で作った笑顔と声色は、イエリに簡単に見抜かれてしまった。
イエリ
『やっと涼しくなりましたね、風が気持ちいいです。』
16時を過ぎ、夏の暑さが少しやわらいできた。
イエリは川辺のコンクリートブロックの上を歩きながら、無邪気に笑った。
ボーカリストを目指していたあの頃と同じ笑顔だった。
私たちはコンクリートのへりに腰掛け、水面を眺めた。
イエリ
『お仕事終わりで疲れてるところ、ありがとうございます。』
ユノ
「こちらこそ、忙しいところ時間を作ってくれてありがと。」
私はここでも平静を装ったが、本当は「仕事帰り」も「大丈夫」もウソだった。
この時の私は、仕事も健康も夫も失い「就労移行支援」に通所していたから。
◇◇
私は両親と不仲で、実家を飛び出した末にうつ病になった。
1人で生き延びていた折に夫に出逢い、考える余裕もないまま結婚した。
が、夫はメンタルに問題があり、折り合えないまま私のうつ病が再発。
私が前職をドクターストップで辞めると、夫は「離婚しよう」と言ってきた。
次の日、夫の両親が家に来て離婚届けを出し、夫の荷物を持って立ち去った。
私は数ヶ月の闘病の末、ようやく起き上がった。
が、頼れる家族もなく、生活保護が視野に入りかけていた。
そんな状態で作った笑顔と声色は、イエリに簡単に見抜かれてしまった。