死なないで
道が整備されていて、思ったよりも行くのは大変ではなかった。

「崖の上来ちゃったね」

「ほんとだね」

焦っているのを隠すように、私たちは笑いあった。

お屋敷は、すごく大きかった。

でも、人の気配はなかった。

しばらく、辺りを探っていると、車の音がした。

車は、屋敷の中へ入っていった。

そして、老人が降りてきた。

あれが月村なのだろう。

私たちは、こっそりと茂みに隠れた。

老人に続いて、青年が車から出てきた。

「海汰」

要が呟いた。あれが、海汰くん。やっと見つけた。

そっと、要の手を握った。

「声かける?」

「いや、待とう。出てくるかもしれない」
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