死なないで
「要」

気がつくと要に電話をしていた。

「どうしたの?」

「やっぱり会えそう。今から行っていい?」

「いいよ。待ってるね」

走って駅に向かい電車に乗って電車をおりて走って要の家へ向かった。

どうしても会いたい。会えば全部わかる。見れば全部わかる。

要の家のインターフォンを勢いよく鳴らした。

ドアを開けて要が出てくる。

私は勢いよく抱きついた。

要が私に押されて倒れるように玄関に座り、ドアがゆっくりと閉まった。

要も私の体に手を回す。

「どうしたの?」

要の声が耳元で響く。

「要はいい人だよね?」

「どういう意味?」

要の優しい匂いが鼻に届いた。

それを思いっきり吸い込む。

きっと悪い人からはこんな匂いはしない。

抱きしめていた手を要の肩に移し、じっと顔を見つめた。

「愛してる」

愛はその人のどんな一面を知っても受け入れることだ。

全てを受け入れるのが愛だ。

そして、私は要を愛しているのだ。

「僕も愛してるよ」

要の手を引き立ち上がった。

そのままベッドまで引っ張っていきベッドに押し倒した。要が驚いた顔をしている。

要に覆いかぶさり要の唇に自分の唇を重ねた。

要の顔が少し赤らむ。

どうしてかは分からないけどこうしたかった。

要の1番柔らかいところを手に入れて支配して自分の思った通りの人にしてやりたかった。

そっと要の手が顔に触れた。
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