いずれ、終われますように



 しばらくの間、凛帆(りほ)の部屋にある椅子に腰を掛けていた。
 ぼーっとしていた。一度、考えるのを止めたかった。

 息を、吐く。深く吸う。

 凛帆(りほ)が私に心の内を深く語らなかったように、私は死にたくなった理由については語らなかった。
 今更だけど、思い出してしまった。
 いじめられた時の心の傷。人を信じられなくなった日。

 過去を振り返る中、未来を見なきゃいけないと感じる今日。

 未来のことなんて、何一つわからないし、隕石、落ちるかなんて知らないし。
 でも、凛帆(りほ)が望んでくれたこと、叶えなきゃかと思っていて。
 苦しさと希望があいまった感情はぐちゃぐちゃで。まるで、私の今の顔みたいに。

 明日が来るのが怖いけど、とりあえずここにいようかと思っている。



 凛帆(りほ)、見てる?

 そこにいる?


 私さ、隕石がちゃんと落ちてくれたら、ちゃんと会いに行く。
 それまでは、しばらく会わない。

 決めた。

 しばらくは、会わない。



 凛帆(りほ)、借りるよ。

 机の上に置いてあったペンを握り、短冊に願いを、書く。


「願い事は、いつ書いてもいいよね」




いずれ、終われますように。




 書いた字は少し、震えていた。




「隕石、落ちるかなー」





 
 無理やり運命に抗おうとはしない。














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