忘れないまま恋をした


そして、ふと彼が言った。

「俺、関西の会社受けてる」

何気ない言葉に、息が止まる。

もし直哉が遠くに行ったら。

私は、平気?

颯斗を失ったときの怖さとは違う。

これは、“今を失うかもしれない怖さ”。

その自覚が胸の奥で、何かをはっきりさせた。
< 118 / 226 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop