忘れないまま恋をした
10
朝。

カーテンの隙間から、やわらかい光が入っていた。

目が覚めた瞬間、

今日が何の日か思い出す。

颯斗の命日。

もう、何回目だろう。

静かに起き上がる。

キッチンから音がする。

直哉だった。

フライパンの音。

コーヒーの匂い。

いつもの朝。

でも今日は、少しだけ違う。
< 141 / 226 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop