忘れないまま恋をした


線香の煙が、

まっすぐ空に伸びている。

直哉は少し後ろで立っていた。

遠慮しているみたいに。

私は振り向く。

「直哉」

小さく呼ぶ。

少し驚いた顔。

「来て」

そう言うと、

少し迷ってから隣に来た。
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