忘れないまま恋をした


少し間をあけて言う。

「柚の父さんに言われてたんだよ」

「は?」

「付き合うなら高校生になってからにしろって」

私は固まる。

「…え?」

「中学のとき一回バレてさ」

「柚はまだ子どもだから待てって」

さらっと言うけど、私は頭が追いつかない。

「だから待ってた」

颯斗は少し照れた顔で笑う。

「やっと解禁」

それから、私を見る。

「どうする?」

私はうつむいたまま言った。

「…私も」

それが、私たちの始まりだった。
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