忘れないまま恋をした
13
ある日。

直哉のスマホが震えた。

「母さん?」

少しだけ眉を上げる。

「うん、今?」

少し笑う。

「うん、いるよ」

電話を切ると、私を見る。

「母さんがさ」

少し困った顔で言う。

「柚ちゃん元気?って」

胸が少しだけくすぐったい。

「今度ご飯食べにおいでって」

私は思わず聞き返す。

「私も?」

直哉は当たり前みたいに言う。

「うん」

少し笑って、

「むしろ柚の方がメインっぽかった」
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