忘れないまま恋をした
少し沈黙ができたとき。

直哉のお父さんが静かに言った。

「直哉から聞いてる」

私は顔を上げる。

「大切な人を亡くされたって」

胸が少しだけ揺れる。

でも、

声は優しかった。

責めるような響きは、

どこにもなかった。
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