忘れないまま恋をした
入院生活が長くなるにつれて、

颯斗は少しずつ弱っていった。

前みたいに長く起きていられない日もある。

それでも、私が来ると笑った。

「今日も来たな」

「来たらだめ?」

「いや、嬉しい」

照れくさそうに言う。

病院の売店で買ったプリンを二人で食べたり、

窓から夕焼けを見たり、

何でもない時間を過ごした。

前みたいに、くだらない話をして笑う。

それだけで、

大丈夫な気がしていた。
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