忘れないまま恋をした
「ダメだ」

父の声は、低くて重かった。

「颯斗は…もう前みたいにはいかないんだろ」

その言葉に、胸がぎゅっと締めつけられる。

「だからって、柚の人生をそこに縛りつけるわけにはいかない」

父は続けた。

「まだ高校生なんだぞ」

「結婚なんて、そんな簡単なものじゃない」

わかっている。

全部、正しい。

でも。
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