忘れないまま恋をした
帰り道。

「今日、避けてた?」

颯斗が聞いてきた。

「別に。ほっといてよ」

素っ気なく言ったけれど、顔が熱かった。

そのとき、やっと気づいた。

颯斗の隣は、私の定位置。

そう思っていた。

それが当たり前で、少し優越感すらあった。

でも違った。

私はただ——

颯斗が好きなんだ。

早く颯斗に追いつきたい。

そんなことばかり考えていた。
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