2分の1の世界
紫織「(遮って)違う。佐倉君は何も悪くない。オンライン塾も増えるし。受験が、受験があるから、そろそろ頃合いかなって」

理久「(大声で)い」

こそこそ話をしながら理久のことをチラチラ見ている、おばさん達。

理久「…行かなきゃ」

紫織「うん。自分勝手でごめんね。5ヶ月経ってないのにごめんね。時計落とし物で届けなね」

電話を切り、早足で去っていく理久を申し訳なさそうに見つめる紫織。ベッドの上に「2部に不法侵入。20代男性逮捕」の見出しの新聞。

○理久家・リビング(夕)
理久が帰宅。キッチンで料理をしている佳代子。

佳代子「おかえり〜。今日寒かったね~」

理久「うん。…お母さん」

佳代子「う〜ん?」

理久「(明るく)もしさ、2部の大学に行きたいって言ったらどうする?」

佳代子、手が止まる。

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