冤罪で聖印を奪われた令嬢、辺境で本物の大聖女になる ~傲慢令嬢ヒストリアの救済証明~
言われてヒストリアは己の人生を重ねた。

たった十八年、まだやり直せるかもしれないのだろうか。

辿らなければ得られない気付きがあるというのなら、ヒストリアが生きてきた十八年はその一過程に過ぎないと、そう当て嵌めてもいいのか。

捏造された罪の断罪劇に至るまで、ヒストリアは自分をそこへ至らしめる可能性のあった出来事をいくつも見逃し、そして自身のおかれた状況に文句を言って他人を頼るしか能がなく、自分自身を変えようなどと思いもしなかった。


『少しは自らで解決する姿勢を示してもらいたい』

ベルナルド王子の言葉が蘇る。

あの時は、問題を解決するために進言しているのにと不貞腐れていたが、ベルナルドが求めていたのはきっとヒストリア自身の問題への向き合い方だったのだろう。

「私は早くから諦めていたわ……」

一つの結論を、小さく呟いた。
それはルーメンへの言葉ではなく、未熟だった自身を理解するためのものだった。

煩わしく吹き抜ける春風は、どこかすがすがしい。

「あなたも、ラキュウス辺境伯も、瘴気の問題を解決したい同志なのね……」

「あぁ。俺は異界の門を閉じるには聖女にヒントがあると考えている。だから君との出会いは運命だと思った」

出会った時に言われた同じ言葉にヒストリアは眉尻を下げて見つめた。
ルーメンの紡ぐ言葉は偽りがない。


「……私は何をすればいい?」

< 37 / 131 >

この作品をシェア

pagetop