妊娠しましたが相手に婚約者がいました。今更私が本命? ご冗談を。
俺が彼女をベッドに押し倒すと彼女は戸惑った表情で首を振った。

「待って、ライ君、話そう! 私ね、実は⋯⋯」

彼女が言い終わらない内に唇を塞ぐ。自分には自信があったけれど、京極清一郎と比べてどうかと言われれば、半分くらいの女は彼を選びそうだ。
彼は俺にはない大人の色気と余裕がある。俺には余裕がない。三ヶ月も連絡が取れなくて、俺から逃げようとする彼女とやっと出会えた。今すぐ彼女と繋がって安心したいという考えは俺だけのものだった。

ベッドの上で俺は真夏の手を一つに束ねる。

「黙って。俺のことが好きなんだろ。真夏ちゃん!」

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