妊娠しましたが相手に婚約者がいました。今更私が本命? ご冗談を。
不意に手に持っていた一部破れたビニール袋を取り上げられる。ここにいるはずのない見知った顔に私は固まった。私が生まれた頃から冬城組にいて、私の面倒を見てくれた男。
サラとルイが血の繋がらない清一郎さんを父親と思っているように、私も自分を気遣ってくれる彼を父のように慕っている時期があった。

「園崎? 何でここに」
「お嬢、こちらはお嬢のお宅までお届けさせて頂きます。お子様の事も私にお任せください」

私は園崎とライ君の顔を交互に見る。この二人が繋がるなんて事があって良い訳ない。
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