妊娠しましたが相手に婚約者がいました。今更私が本命? ご冗談を。
「そんな事言うの真夏ちゃんくらいだよ。母の出身の福岡だと、そんなに珍しくないって聞いた」
「そうなの? 私、初めて見たよ。その綺麗な瞳の色はお母様の忘れ形見なんだね」
彼が照れたように目を手でちょこっと隠す。その仕草が可愛らしい。

「真夏ちゃん、取り敢えず今日は母が残していった服があるから着る?」
「えっ? 良いの?」

ライ君がクローゼットから出した服はどれも上質な素材のブランド物の素敵なワンピースやセットアップばかりだった。

「このトランキルブルーのワンピースとか、真夏ちゃんに似合いそう」
「じゃあ、この服をお借りしようかな」
着替え始めた私を見て彼が急に頭を抱え出した。

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