妊娠しましたが相手に婚約者がいました。今更私が本命? ご冗談を。
「ごめん。母親の服を着させるとか、俺マザコンみたいだよな」
予想外の言葉に私は困惑する。

「素敵なお洋服を貸して貰えて私は凄く嬉しい。それに、マザコンっていうのは母親想いってことでしょ。理想の息子だよ」

死んでも想われるライ君の母親は素敵な方だったのだろう。母親を軽蔑し絶縁状態の私の親子関係とは全く違う。

そして、単純な私は勝手に期待していた。

───大切な母親の服を私に着せてくれた彼は私を特別に思ってくれている。

私は脱いだ着物はワザと彼の部屋に置いていった。そうすれば、この部屋にまた呼んで貰えるとあざとくも企んだ。
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