司くんに愛されすぎてる。

色素の薄い、透明感のあるベージュカラーの髪と瞳。

くっきり二重のアーモンドアイ。

ずっと通った鼻筋。


可愛いとカッコイイが混在する整った顔。



そんな容姿を不意打ちでくらったから、私が驚くのはわかるの。


でもなぜか、あっちも驚いた顔をしている。



同じ表情で見つめ合うこと数秒。



不意に、コサージュを乗せた両手をぎゅっと握られた。


吸い寄せられたみたいに私だけを見つめる目。

感情を噛み締めるかのように、息を飲み込んだ彼の喉仏が震えた。



「――かなちゃん?」



ポンと弾かれたコサージュが机の上に落ちる。

新入生くんが溢すみたいに紡いだ私の名前に、ドキンと心臓が跳ねた。


「え?」


なんで、私の名前……


まだ見開いたままの彼の瞳が、湿度を増してキラリと揺れた気がする。

開きっぱなしの口も、言葉を探すみたいにわずかに動き出そうとしてた。



全然知らない人のはずなのに。


その顔をずっと見つめていると、なぜだかすごく懐かしくてきゅんとした。


一度跳ねた心臓が、ドキンドキンと波紋を広げて胸の奥まで響く。



記憶の扉が開きそうになって――



「HR、始まるよ」



和樹が握られた私の手首を掴んで奪って、自分の方に引き寄せる。

空っぽになった新入生くんの手には、コサージュと資料を押し付けて。


口調は柔らかくて、口元も笑っているのに新入生くんを見る目はどこか冷たい気がした。

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