あの頃とは変わった愛の形で

あなたは変わらず

少し困ったように小さく笑う悠斗の姿は15年前、私が死ぬ前に見た笑顔とあまり変わらなかった。そうだ、私は死ぬ前に笑ってほしい、あなたの笑顔がみたいと困らせたんだった。
純白な百合が咲く花瓶がある部屋で。

そうして、私は語り出した。

「___っ、覚えてる...?夏に一緒に遊園地に行ったこと、冬に寒いって凍えながら水族館に行ったこと、ぜんぶ、ぜんぶ、悠斗がくれた指輪をつけて出かけたこと___
悠斗はもう、覚えてないかも、しれないけれど...一緒に、医者になろうと、約束...したっ、こと...」

話しながら想い出を思い出してしまって、思わず泣きそうになった私の手を悠斗が取る。

「なんでっ...!だって、楓花と出かけたのは15年以上前___君は、生きていないのに...!!」

「...私っ...楓花だよ...!信じて!!」

縋るようにしゃがみこんだ。悠斗の手の温もりがやけに熱く感じる。
保健室の先生も紬もなんて声をかけていいのか分からないのか、背中をたださすってくる。

「...前世だなんて、非科学的だ。____だけど


...君のためなら信じてもいい」

思わず息を飲む。信じ、て、くれた。
ふっと肩から力が抜ける。...よかった...

「非科学的だって...懐かしい...ふふ、
 悠斗、15年も経っても変わらないのね」

「人は根本的な性格は変わらないもの...と、楓花が教えてくれたんでしょう」

「あれー?そうだっけ?」

「...まさか、楓花じゃな...」

「うそうそ!私の口癖だったねー、今世では全然言ってないけど」

そこで、保健室の先生と紬がいたことに気づく。
後ろをぱっと振り向くと、「?」という表情を浮かべた2人がいた。


「「...あー...」」

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