チョコレートフォンデュ
「体を許したら、なんだかどうでも良くなって、罪悪感がどんどん薄れていって、結局、その分お金が貰えるんならいっかって思うようになって・・。でも、豊の事は本気で好きで、間違ってるって分かるけど、豊を失う方がもっと嫌だったから・・。杏の事も本当に嫌いって思ってあんなヒドイ事しちゃうくらい、豊が好きで・・。杏に、今さらこんな事言っても都合いいって思われるのは分かってるけど、それくらい、本気で好きなの・・。」



私はなんと言えば良かったのだろう。


「りぃもつらかったんだね。ごめんね。今度こそ、本当に豊とは縁切るから。」

そんな言葉だったのだろうか。


でも、私達の間に、もう嘘はいらないと思った。


「ごめん、りぃ。私、豊と縁切れるか分からない。なんか、豊の事、今正直・・わかんないの。だから、りぃに、約束はできない。」


りぃも、怒る気力すらなかったのかもしれない。

「そうだよね。私勝手過ぎるよね・・。杏と豊の事は、私何にも言える立場じゃないよね・・。」


その言葉は表向きだとしても、私はそれを素直に受け取ることにした。

そして、私達は、気まずいまま電話を切った。

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