世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 かといってなにか話すわけでもなく、休日と同じようにお互い勝手に好きな時間を過ごす。

 やがて眠る時間を迎えた私は、ひと言あったほうがいいだろうかと彼の部屋の前に立った。

「お仕事中だったらすみません。もう休みますね。おやすみなさい」

 出かける時に声をかけるのと同様、特に返事を期待したわけではなかった。そこにいるなら礼儀として挨拶くらいはしておいたほうがいいだろうと思っただけで。

 なのに、意外にも目の前の扉が開いた。

「まだ十時だが」

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