世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
【次の休みにうちに来なさい。嫁入りしたといっても、あんたは九条の娘なんだから】

 これが私の両親から出る言葉でなければ、嫁いだ娘を案じる優しい言葉だと思っただろうが、残念ながら彼らはそんなつもりで言ったわけではない。

 ため息をひとつ吐き、彼らの意図を悟って蓮司さんの部屋の前へ向かう。

「蓮司さん、今大丈夫ですか?」

「どうした」

 ちょうど出社するところだったらしい彼が、かっちりしたスーツを身にまとって現れる。

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