世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 だってあの蓮司さんが『かわいい』なんて言うはずがない。それも自分の目的の――事業のために買った花嫁に対して。

 フランスに来てから彼の意外な一面を覗き見ているせいで、きっと頭のどこかが故障してしまったのだ。そうとしか思えない。

 自分にそう言い聞かせ、うつむいて黙々と焼き栗を口に運ぶ。

 なぜだか、最初に食べた時よりも甘いように感じた。



 昼食と休憩を兼ねて立ち寄ったのは、セーヌ川を臨むカフェのテラス席だった。

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