世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
「……違います。私は、そんなことはしていません」

「証言はいくつもある。君がグラスを叩きつけた姿を見た者がいると」

「本当に違うんです」

 言葉を尽くしても無駄かもしれないと、諦めが頭をよぎる。

 口を閉ざした私に、蓮司さんが再び声をかけた。

「なにがどう違うのか説明しろ。君が言わないのなら、俺は他人から聞いた話を信じるしかなくなる。違うと言うなら、なにがどう違っているのか知りたい」

 促され、きっと意味がないと思いながら渋々話し始めた。

「触られ、たんです」

< 234 / 489 >

この作品をシェア

pagetop