世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 画家の情熱がそのまま形になったような、溢れんばかりの色彩は今もまぶたの裏に焼きついている。

 手入れはされているのにどこか自由奔放に咲き誇る花々や、柳の枝が揺れる睡蓮の池を眺めながら、自分の心がほどけていくのを感じた。

 息がしやすい場所もあれば、しづらい場所もある。

 そんなことさえ、これまでの私は知らなかったんじゃないかと思った。



 パリに戻り、初日のようにセーヌ川沿いを歩く。

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