世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 ほんの数日前までは近寄ることさえなんとなく避けていた相手だったのに、今は彼がそばにいることが頼もしい。

「君はなにを見ても肯定的な感想を言うんだな」

 あまり返答は期待していなかったのに、蓮司さんが答えてくれた。

 一瞬立ち止まって彼を見上げる。

「お世辞のつもりはなかったんですが……」

「そこまでは言っていない」

 蓮司さんもまた、立ち止まる。

 そして高い位置から私を見下ろした。

 今日までそうしていたように私をじっと見つめ――瞳を覗き込んでくる。

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