世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 かつて私の気持ちなどなにも考えていない最低な男だと思ったのに、意外とそういうわけではないらしいと思うようになったのは、こういうところも理由のひとつだ。

 蓮司さんは視線だけで私を射抜く。

 その瞳には、甘い熱とは裏腹に、一切の異論を許さない鋭さがあった。

「……いいえ。不満なんてありません。驚いただけです」

「そうか。ならいい」

 蓮司さんは私の額に軽くキスを落とすと、名残惜しいとでも言いたげに抱き締める腕に力を込めた。

「必要なものはすべて俺が用意しておく」

「はい」

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