世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 事業以外でも古い考えに囚われた両親は、この時代に『女が仕事に口を挟むな』と苦々しく言うのである。

「私、セレインの面接で言ったもん。『伝統の良さを残しながら、新しい香りを探し出したい』って」

 就職面接を受けた四年前のことを思い出す。

 当時の私は二十一歳。伝統に縛られ、自分自身の首を絞め続ける実家から逃げるように、外へ救いを求めた結果が同業他社への入社だった。

 二十五歳になった今も、両親は私の選択を許していない。

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