世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 彼らがちくちく言うだけに留めているのは、ひとえに九条香雅堂の事業が危ういからだ。業績は右肩下がりで、このままだと父の代で店が潰れる。

 私が家に入れているお金も貴重な収入源というわけだ。

「それで本当にヒット作を作っちゃうんだからすごいよ」

 彩香がキンと冷えたアイスコーヒーを口に運びながら言う。

「家が同業っていうのは知ってたけど、やっぱり鼻の作りが違うのかな?」

 笑った彩香が自分の鼻をつんつんとつつく。

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