世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
 欲しかった言葉とともに、数えきれないキスが降る。

 どんなに特別なのかを、キスの甘さで教えるつもりかのようだった。

「俺からもひとつ質問したい」

「なんですか?」

「……まだ、俺を世界で一番嫌いな男だと思っているか?」

 もしかして彼はずっと気にしていたんだろうか。もしそうなのだとしたら、世間で言われている冷酷非道な男にも案外かわいらしいところがある。

 そしてその姿は私にしか見せてくれないんだと思った瞬間、きゅうっと愛おしさが込み上げた。

「今はもう、世界で一番好きな人です」
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