世界一嫌いな男に妻として買われたら、容赦ない溺愛で堕とされました
「紗代の価値にふさわしいだけの金額を用意できるのか?」

 朝倉さんの神経を逆撫でするのにこれ以上ない的確なひと言だ。悪人を演じる才能があるとしか思えない。

 自分が正義であると信じているからこそ、朝倉さんは酔っている。悪の親玉である蓮司さんを倒して、私を救ってみせるんだと張り切っている。

「だいたい、君は誰だ? ご両親と顔を合わせたことはあるが、君は名前を聞いたこともなさそうだ」

「僕は朝倉陽一。紗代さんの元婚約者だ」

「元、か」

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